日本脱出なんて大げさですが、
一生外国なんて行かないだろうなんて思っていました。
「 外国なんて行ったことないし、行きたいと思ったこともない。 」
これは母親から高校生の時に、直接言われた言葉です。
我が家は、父親が旅行などに出かけることがあまり好きではなく、
母もそんな父に従う、という感じで、家族旅行に行ったことはほとんどありません。
一度、母がパートで勤めていたお店の社員旅行で近県の博覧会に日帰り旅行に行ったことくらいです。
高校一年の時、高校卒業の時期に行く、卒業旅行というものの存在を同級生から聞いて知りました。
「なんて、楽しそうなんだろう!」
「友達と自分たちだけで旅行に行けるんだ」
「友達と泊りで旅行なんて楽しそう!」
そう思いました。
クラスの中でも特に中のいい友達と
「一緒に外国に行きたいね」って話をしていました。
「外国!行ったことない!楽しそう」
好奇心の固まりのような私はドキドキ、わくわくしていました。
しかし、場所は外国、パスポートだっていります。
未成年なので親の許可もいります。
「友達と卒業旅行に外国に行きたい」
その話はずいぶんと前から、母親にしていました。
母は、ふーん、という感じで本気にしていませんでしたが、
「そうねえ、行けたらいいね」
そう言って外国に行くことに反対はしていませんでした。
その時、高校一年でした。
そして、三年生になった時、高校一年の夏休みにバイトしたバイト代9万円で、外国に卒業旅行に行きたいと親に言いました。
行先は、香港。
同級生の友達と相談して決めたのですが、ちょうど、来年香港がイギリスから返還されるという時期。
「イギリスから中国に返還されたら、香港の雰囲気も変わるんだろうな」
「ちょうどその変わり目の香港を見ることができるな」
そう思いました。
親は、娘が本気で外国に行くと思っていなかったようで、慌てたようでした。
しかし、私が何年も前から外国旅行に行きたいとずっと言い続けていて、反対しなかった母は
「本気で行くと思わんかったし」
と言って反対します。
「今までずっと反対せんかったやん!!」
もちろん反論します。
父親は、
「外国なんか行ったら、変な人に売られるに決まっている」
と意味のわからないことを言っていました。
母も何年も前から、実質的に容認していたので、今更行かさないとも言いきれず…
そして、どうなったかというと…
行っちゃいました。友達と、格安航空券で香港に。
初めての海外ということと、完全フリープランは怖いのでツアーに参加しました。
現地でのショッピング、観光地めぐり(夜景とかジャッキーチェンの家とか紹介されました)がありました。
ツアーは、高校生なのは私たち二人くらいで、あとは社会人、50代くらいの夫婦とかが参加していました。
親元を離れて旅行なんて初めてなので、不安がありつつも、興味の方が勝っていたので、楽しくてたまりませんでした。
ホテルの部屋などの案内表示は、英語と中国語で書いてありました。どっちの言葉も完全によくはわかりませんでしたが、英語のニュアンスと漢字のニュアンスで、案内表示の内容は理解できました。
その時、つくづく漢字の国の人でよかった。英語も自信はないけど、学校で習ったレベルで理解できる。
英語に関しては、苦手意識はありつつも、最低限なんとなくわかる、これそこが教育ってものだ、と実感しました。
「識字率」と同じで、日本では字が読めない人は、ほぼいないと思いますが、国によっては字が書けないとかありますよね。
英語も語学力は低くて、ちゃんとしゃべれなくても、学校教育の英語だけでなんとなく理解できる。
…日本って恵まれてるんだな、もしかして、裕福な国なのかな。
「我が家はそんな裕福ではない気がするけど、世界の中から見たら恵まれているだろうな…」
外(外国)に出てみて初めて、内(日本)のことがわかる
比べる対象があって、初めて自分たちが恵まれていることに気づきました。
日本という国に生まれたことも、感謝すべきことだし、こうやって香港に無事来れたことも親に感謝しないといけないな、と思った旅でした。
ど
コメント